【介護関連時事】



 増えるフィリピン人「ホームヘルパー」 《産経新聞12月14日》

 高齢化が進む日本の介護の現場で、フィリピン人のヘルパーが注目されています。
 配偶者ビザなどを持つ在日フィリピン人ヘルパーが既に施設で戦力になっているほか、日本はフィリピンとの自由貿易協定(FTA)で介護や看護の分野で早ければ来年からの人材受け入れに合意しています。高齢化社会での重要な担い手になるのか。

 東京の特養で働いているフィリピン人女性(ヘルパー2級)の時給は日本人ヘルパーと同じ850円。
 FTA合意の動きを背景に、昨秋ごろから在日フィリピン人向けのヘルパー講座を開く専門学校が現れ、ヘルパー2級の資格を持つフィリピン人は、この1年で急増(おおむね200人前後)している。
 南国気質で明るい国民性に加え、カナダなど海外への介護人材の「輸出国」としての実績もあり、採用施設側の評判もいい。

 日本は昨年11月、FTAでフィリピンからの看護、介護分野の労働力の受け入れに合意。早ければ来年にはフィリピン本国からもヘルパーなど介護士や看護師がやってくる。働き場を求めるフィリピン人ヘルパーと、人材不足に悩む介護施設。互いに補完関係にあって万々歳にみえるが、参入を不安視する声は根強い。
 日本ホームヘルパー協会の会長も「ヘルパーはお年寄りの生活の質を改善するための専門職。言葉や文化の理解は欠かせず、外国人には難しいのではないか」と指摘する。また、フィリピン人ヘルパー全体の低賃金化を招くなど労働環境を悪化させるという不安もある。

 賛否両論のあるフィリピン人ヘルパーの雇用問題。しかし、3.6人の現役世代で1人の高齢者を支えている日本の人口構造(平成12年現在)は、25年後には1.9人まで低下。若者2人が1人のお年寄りを支えなければならない時代は、すぐそこまで迫っている。

【自由貿易協定(FTA)】
 2国間や地域の間で、輸出入品関税などを取り扱い、物やサービスの行き来を自由にすることを目的とする取り決め。
 日本は昨年11月、介護と看護分野でフィリピンからの労働力の受け入れに合意。日本で介護士として働くには、看護大学又は4年制大卒の資格が必要。入国後も介護福祉士の国家資格の取得を義務付ける。資格取得できない場合は、帰国となる。資格取得後の在留期間は3年の更新制。



 「ホームヘルパー」B 《産経新聞12月7日》

 ホームヘルパーは、拘束時間が長い割に給与が低く、割に合わない職業だといわれます。特にヘルパーの多くを占める登録ヘルパーの労働環境は劣悪で、長続きしないのが実情です。

 安月給の理由の一つは、利用者宅への移動や待機時間が給与に反映されない仕組みになっているためだ。継続して働けないために、時給は介護の種類により1200円から1700円と普通のパートと比べて高いのに、月給にすると安いという結果になってしまっている。
 そのうえ、交通費や携帯電話代などの必要経費も自己負担。訪問先のお年寄りが病気などで突然、キャンセルしても、仕事がなくなった分の給与は保障されない。

 登録ヘルパーの給与は低く、介護労働安定センターの平成15年の調査では、平均月収は6万4500円。これだけでは、人一人が生活できる額ではない。
 登録はしたものの、仕事が回ってこないという実情もある。「仕事を割り振る責任者に愛想を振りまいて気に入られなければ、仕事がもらえない」「お年寄りの取り合いに嫌気がさした」」…こうして若いヘルパーがどんどん辞めていき、残るは、他への就職口が限られている50歳以上の中高年女性。身体を酷使しながら、働いている人も目立っているという。
 労働科学研究所などが平成15年に公表した「ホームヘルパーの仕事と健康の実態に関する調査報告書」によると、50代ヘルパーの半数以上が、重い車椅子への移乗などで、仕事に困るほどの腰痛経験があると答えていた。

 このままではヘルパーの質の向上につながらないと、厚労省は昨年8月、利用者宅への移動や待機時間、報告書の作成にかかる時間を給与として算定し、キャンセルが入った場合は、平均賃金の6割以上の手当てをヘルパーに支払う必要があると、全国の事業所に労働基準法の順守・徹底を通達した。
 しかし、通達から1年以上がたつが、大半の事業所では、基準法違反状態が続いたまま。通達が守られない背景には、事業所の厳しい台所事情がある。
 厚労省が公表した平成17年の介護事業経営実態調査では、訪問介護事業所の収支平均はマイナス0.1%(補助金含む)の、赤字状態であることが分かった。
 また、連合総合生活開発研究所が今年1月に公表した試算では、登録ヘルパーに移動時間分の金額を払うと、訪問介護だけの単独事業所では赤字になるという結果が出ている。

 事業所側の経営努力にも限界がある中、介護報酬の底上げを求める声が高まっている。



 「ホームヘルパー」A 《産経新聞11月30日》

 ホームヘルパーの質の低下が問題視される中、厚労省は、現在のヘルパー資格(1〜3級)を廃止し、将来的に国家資格の介護福祉士に一本化、ヘルパー全体の質を底上げしていく方針を打ち出しました。ヘルパーを国家資格者に格上げすることで、高齢者の満足度は高まるのでしょうか。

 ヘルパーの質が低いといわれる理由の一つに2級資格のハードルの低さが指摘されている。専門的な職業としての意識がない人までが容易に資格が取得できてしまう。
 そのため厚労省は現在のヘルパー資格(1〜3級)を統合・強化し、早ければ来年秋にも受講時間を現在の倍以上の500時間に増強した「介護職員基礎研修」をスターとさせることにした。そのうち、少なかった実習を140時間に大幅に拡充することを検討中だ。
 現在ホームヘルパー2級の人で実務経験1年以上の人は150時間分を新たに受講する必要があり、1年未満の人だと350時間、追加研修を受ける必要が出てくる。そして将来的には、介護に従事する人の基礎資格が、介護福祉士に一本化される方向だ。
 現在の介護福祉士は、さらに200時間の研修を受けることで、リーダーとなることが期待されている。3級ヘルパーは介護報酬上減算し、徐々に廃止していく方針だ。
 厚労省老健局振興課の担当者は「今働いているヘルパーが働けなくなるわけではないが、来年以降は、強化部分の研修を実費もしくは事業所の負担で受けてもらう。研修分で、今後増える認知症患者らのケアや、高齢者の尊厳を重視できるよう人間力を身につけてほしい」とする。

 国のこうした方針に対し、介護現場には賛否両論が渦巻いている。
 国家資格に統一する方が、利用者の満足度は高まるのか―。その答えが出るのは、新しい研修制度がスタートする来年秋以降だ。

【ホームヘルパーと介護福祉士】
 事実上の基礎資格であるヘルパー2級は、都道府県が指定した講座に通い取得する。平成3年度から15年度までの間に約172万人が取得。
 介護福祉士は昭和62年に国家資格に制定された専門職で、高齢者施設などで、入浴や食事など利用者の日常生活を支える。専門学校などでヘルパー2級の10倍以上の1650時間の教育が行われ、合格者は約4割。ヘルパーなどとして実務経験が3年以上あれば試験を経た上で資格取得できる。



 「生活保護費」首相裁定へ 《産経新聞11月26日》

 国と地方の財政を見直す三位一体改革で、川崎次郎厚生労働相は25日の地方代表者との協議会で生活保護費約3800億円の補助金削減案を提示した。これに地方側は強く反発したが、厚労相は「意見は出尽くした」と協議を打ち切った。

 川崎厚労相はこの日の協議で、生活保護費の中の生活扶助を地方への移譲対象から除外した上、@医療扶助の国の補助率を4分の3から3分の2にして約3800億円を移譲A児童扶養手当の補助率を4分の3から2分の1に変更して約1100億円を移譲する案を示し、歩み寄る姿勢を見せた。地方側は反対の立場を貫いたため、厚労相は「負担の問題について地方と乖離はあったが、議論は出尽くした」と協議を一方的に打ち切った。
 地方側は激しく反発し、生活保護費が削減対象となった場合、生活保護データの国への報告停止や新規の受給事務の返上も辞さない構えを改めて見せ、溝は深まった。



 「ホームヘルパー」@ 《産経新聞11月23日》

 高齢者宅を訪問して家事や身体介護などのケアをするホームヘルパー。介護される側に最も近い存在なだけに期待が多い反面、苦情やトラブルも目立っています。

 平成16年度の東京都国民健康保険団体連合会の苦情相談白書によると、介護サービスに関する苦情の中で、第1位を占めるのはホームヘルパーに関するもの。全苦情2711件のうちの約3割を占める。内容は家事や入浴介助などの技術が未熟だというものから「健康食品の購入を勧誘した」など基本的な資質にかけるもの、「いつも違う人が来て困る」など事業所の体制に関するものまで、さまざまだ。

 厚生労働省がヘルパーの量を増やすために認めてきたのが登録ヘルパーという働き方だ。
 資格を持つ人が、訪問介護事業所に登録し、必要に応じて高齢者宅に派遣、時間で収入を得るもので、パート的に働きたい主婦らに人気を集める一方、人件費を安く抑えたい事業所との思惑が合致して爆発的に増えた。厚労省などの調査では、現在、実働ヘルパー約33万人の約7割がこうした非正規職員の形で雇用されている。

 しかし、登録ヘルパーの多くは、自宅から高齢者の自宅まで「直行直帰」型で働く。これでは事業所との連携が不十分な上、他のヘルパー仲間とのつながりも持てず、ケアの質も磨かれない。事業所も利用者の体調変化といった重要な情報を把握できない。一方で、ヘルパーにとっては問題がおきても一人で対応しなければならないなど、問題点が多い。

 厚労省は来年度の介護報酬の改定に向け、登録ヘルパーが事業所に寄った場合に報酬加算をつけるなどで登録ヘルパーの質の強化を図る方針を打ち出した。
 介護生活の満足度を最も左右するヘルパーの質。その議論は始まったばかりだ。



 「有料老人ホーム」に新風 《産経新聞11月14日》

 「親身に介護した末に相続争いで振り回されるなら、最初に法的な約束をすればいいのでは?」読者からこんな投書が寄せられました。実母を見送ったばかりというその方は「成年後見制度」を利用して、自宅介護を成し遂げました。現在、遺産分割ももめることなく進んでいるそうです。

 読者が利用した「任意後見制度・移行型」は成年後見制度の一つ。判断能力のある人が、認知症などになった場合に備えて結んでおくものだが、本人が同意すれば、認知症になる前でも取引や契約を代理人に任せられる。判断能力があっても、信頼できる人に財産管理などを任せたい人には便利だ。読者の場合、この契約で母から財産の管理△金融機関との取引△入院契約△介護契約など、約10種類の代理を請け負った。証書さえあれば契約に家族(兄弟など)の承諾を取る手間が省ける。また、代理人として毎月○万円と決めて報酬を得ることもできるし、途中で解約するもの簡単。

 関係弁護士は、子供同士で、親の介護をしている兄弟や姉妹が財産を勝手に使っているのではと、もめるケースを提示した上で、成年後見制度を使えば、代理人になっている子供は親の財産を、何に使ったかを後で証明する責任が生じ相続争いを軽減できると指摘する。

【成年後見制度】
 認知証や知的障害で判断能力が不十分な人に代わって、後見人が財産管理や契約などの法律行為を行う制度。すでに判断能力が不十分な人のために、家族らが家庭裁判所に申し立てて後見人を選んでもらう「法定後見制度」と将来に備え本人が公証人の元で契約する「任意後見制度」がある。
 任意後見は、判断能力がなくなった時から利用する「本来型」や「即効型」、判断能力がなくなる前から支援を始められる「移行型」に分かれる。
 後見人は家族や友人、弁護士、司法書士などがなるのが一般的。報酬は本人の資産に応じて決められる。



 「有料老人ホーム」に新風 《産経新聞11月14日》

 有料老人ホームの運営ビジネスに外食産業や電力会社など異業種の参入が相次いでいる。膨らむシニアマーケットに、それぞれの得意技を生かして切り込もうという戦略だ。新興の業者とは違い、ブランドが確立していて安心感があるためか「常時満員」という人気のホームもある。

☆居酒屋チェーン「和民」で知られる「ワタミ」は今年3月、関東で有料老人ホーム「レスト・ヴィラ」16ヶ所を手がける会社「アールの介護」を買収し、老人ホーム運営ビジネスに乗り出した。
☆警備大手「セコム」グループの「セコム医療システム」は18年10月、初の自前の有料老人ホームを横浜市にオープンする。セキュリティー技術を最大限に生かしているのが特徴だ。
☆東京電力グループの「東電ライフサポート」は、「オール電化」を売りにした「もみの樹」シリーズを展開。

 大手の場合、使わなくなった社宅や資材置き場の土地が多くあり、有効利用を図るため、有料老人ホームを立てるケースが多い。ただ、交通の利便性などが良いかというと必ずしもそうでない。駅前の土地は高級マンション用に供給されるケースが多く、老人ホームは駅と駅の間などが割り当てられることが少なくない。
 また、異業種によるホームの場合、介護に関して生え抜きの人材がおらず、ホーム長に現場経験のない、役所の福祉担当OBを当てるようなケースも見られ、『終の住まい』を手伝う使命感がない場合も有る。営業努力の意思がなく、スタッフのやる気も失われるため血の通わないサービスとなることも。ホーム選びの際、ホーム長がどんな人かをよく調べることも大切のようだ。
【入居一時金】
 有料老人ホームのへの入居時に徴収される必要資金。各ホームが独自に設定しており、0円から数億円単位までさまざま。15〜20年分の家賃の前払いと、施設やサービスを終身のわたり利用できる権利(終身利用権)のための費用を合わせたものとされる。使い道の不透明さを指摘する声もある。



 「介護と相続」B嫁の立場 《産経新聞11月9日》

 介護保険の導入で、昔に比べ介護の社会的環境は整ってきました。しかし、まだまだ介護は“嫁”の仕事という家庭も多いでしょう。苦労して舅や姑の介護をしても遺言でもない限り、相続で嫁が直接、報われることは難しいのです。

 日本の法律はこと“相続”に関しては、嫁に対して非常にシビアだ。頑張って舅や姑の介護をした。家も立派に守った。そんな嫁でも、遺言でもない限り、相続の権利はない。相続の際に、親を介護した子供に認められる寄与分の上乗せも、嫁の場合は、あくまでも夫や子供の相続分に反映されるだけ。嫁が直接、報われるのではない。
 まして、夫をなくし、子供もいない嫁は、間接的にも相続の恩恵を受けられなくなる。農家や自営業者の嫁など、夫の実家で暮らし、家業も手伝っている場合、受ける打撃はより深刻だ。昔は介護した嫁が未亡人になれば、相続の際に夫の兄弟が配慮したものだが、昨今は不況の世相を反映して、もらえるものはもらっておこうという人が増えた。困っているお嫁さんは多い。

 上記の例で有効な手段は3つ。「遺言」「養子縁組」「生前贈与」だ。
 遺言で「嫁に財産を遺贈する」と書いてもらえば、介護した嫁も財産を分けてもらえる。義理の親と養子縁組すれば、法定相続人として、夫やその兄弟と同じように相続権が発生する。また、年間100万円までなら贈与税がかからないので、生前贈与という形で介護の苦労をねぎらってもらうのもいい。ただ、親が息子に財産を残すと遺言する場合は、息子が親より先に死んだ場合も考えてもらうことを忘れてはならない。一言、「但し、息子が先に死んだ場合は○○(嫁や子供)に譲る」と添えてもらう。



 「介護と相続」Aこじれた場合は… 《産経新聞11月2日》

 介護で大変な苦労をしたのに、遺産相続の話がこじれ、傷つく人が少なくありません。介護の苦労は証明が難しいだけに、相続でもめそうなら、日頃から介護日誌をつけたり、領収書を取っておくなども対策の1つです。

 介護をしなかった子供に遺言で全財産を譲る―。その他の子供に取り得る方法はあるのか。

 まず「遺留分」の請求が考えられる。民法では遺言があっても、配偶者と子供は1年間に限り遺産の一部を取り戻す権利「遺留分」を認めている。親の遺産を子供が相続する場合、遺留分は法定相続分の2分の1。つまり、総額の4分の1を受け取れる。
 遺留分を請求するには、まず、遺産を受け取った人に内容証明郵便を送るなど意思表示をすることが必要になる。ただ、それで相手が応じるのはまれ。家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てるか、裁判を起こすのが一般的だ。

 介護の苦労を相続に反映させたいなら、世話をしてきた代価として「寄与分」を主張できる。介護や家業の手伝いなどで、個人の財産が実質的に“増え”たり、維持できた場合、特別の貢献があった相続人には、有利は相続が認められるケースがあるためだ。
 一般的に介護に対する寄与分は、介護者によって節約できたヘルパ−代や訪問看護師の費用で計算されることが多い。判例では、認知症の母親を10年間介護した娘に約1200万円の寄与分を認めたケースなどがある。
 ただ、寄与分は証明が難しく、必ずしも、介護者が思うほど相続額に反映されるわけではないのが実情だ。相続でもめそうなら、介護日誌をつけたり、負担した介護費用の領収書を取っておくほうがいい。



 「介護と相続」@生前の準備 《産経新聞10月26日》

 親の介護で知らないふりをしていた兄弟姉妹が、何故遺産相続で平等なのか―。そんな嘆きが介護経験者から聞かれます。介護は負担が大きい一方、数字で評価されにくく、相続争いの火種になることが少なくありません。もめないためには、どうすればいいのか。もめてしまったらどうすべきか。

 介護は知らないふりをして、相続権だけ主張する―。この要求は不当なのだろうか。
 実は法律上は問題ない。民法では、親の遺産は子が均等に分け合う均等相続が原則。介護の経験は相続の際に評価されにくい。しかし、均等相続に不公平感を抱く介護者は少なくない。

 介護の苦労にできるだけ報いながら、相続争いの危険性を最小限にするには、どうすればいいのか。
 高齢者の財産管理に詳しい弁護士は、親が元気なうちに主導して、@誰が Aどのような世話を B誰の費用でするか―といったことを取り決めて書面化しておくことが大切と指摘する。
 遺言状の作成も効果的で、遺言状を残しておけば、介護を担った子どもに多く相続させることや、相続の権利が無い嫁に遺産を遺贈することもできる。その際は何故そのような配分にするのか、付言事項で理由を書いておくといい。
 遺言状の作成には、後で相続人の間で本物かどうかもめるケースがあるので、全国300箇所にある公証役場で作成してもらうのが確実だ。

 ただ、遺言状にも限界はある。子どもは親の遺産配分に不満があれば、最低限の取り分として「遺留分」を請求できる。このことを考慮するなら、遺言とは別に、生きているうちに財産を子どもに贈与する方法も考えられる。

 同弁護士は「相続問題は、契約や法律でしばるにはいずれにしても限度がある。親子や兄弟が介護の問題に突入する前から、仲良くしていることに勝る解決策は無い」と話している。



 「夜間対応型ヘルパー」来年4月適用 《産経新聞10月19日》

 枕元に備え付けたコールボタンを押せば、深夜でもヘルパーが駆けつけてくれる―。そんな夜間対応型ヘルパーサービスが来年4月、介護保険の適用になります。急に体調が悪くなったり、1人でトイレまでいけない時など、夜間といえども介助を必要とする場面は多いもの。施設に頼らず、いつまでも自宅で過ごしたい高齢者の強い見方になりそうです。

 介護保険を適用するに当たり、現在、国の社会保障審議会介護報酬分科会で、サービスを実施した事業者に支払う報酬体系をどうするかについての議論が進められている。全国に普及させるには、事業者が運営し続けられるような報酬体系が必要だが、一方で報酬を高く設定すれば、高齢者の利用者負担が増え、利用に歯止めがかかる可能性がある。
 モデル事業で利用者が1回の出動につき支払う金額は310円〜372円。他のサービスに比べて著しく高いわけではないが、毎日使い続ければ、介護保険の支給限度額を超えてしまう可能性がある。

 サービス普及には主治医など医療機関との連携も欠かせない。今後、末期がんなどで自宅で終末期を迎えようとする患者も増える中、ヘルパーだけでは対応しかねるケースも考えられる。
 また、随時対応のサービスは、ケアマネへの報告は事後申請になるため過剰なサービスとならないよう、サービス事業者のモラルある対応が不可欠。



 高齢者虐待145件(埼玉県) 《産経新聞10月13日》

 高齢者が家族からの暴力や言葉による侮辱、無視などの虐待を受けたケースが、県が把握しただけで昨年度は145件、被害は150人に上っていることが12日、分かった。虐待している家族は実子が46%を占めた。県は「把握できているのは高齢者虐待の一部に過ぎない」として、市町村の対応窓口を整備するなど、実態把握と対応に力を入れる方針。

 虐待を市町村に通報したのは介護支援専門員が34%と最も多かった。

 高齢者虐待は児童虐待防止法のような特別法が存在せず、虐待の発見・通報・市町村による立ち入りなどの対応が体系化されていないのが現状。特別法は先の通常国会で与野党から議員提案があったが、衆院解散で審議未了、廃案となった。



 「特養」報酬減で転換迎える 《産経新聞10月12日》

 今月から始まった特別養護老人ホームなど介護三施設の部屋代と食費の自己負担化に伴い、施設が国から受ける介護報酬額が大幅に減らされました。特に職員の人件費がかかる東京の施設などでは影響が大きく、国への批判を強めています。一方で、上手に経営の効率化を図る施設も増えています。

 施設にとって介護報酬は低水準の公定価格で、総収入は決まっている。赤字を出さないようにするには、人件費を削るしかなく、利用者のお世話に直接響くし、職員も集まらない。利用者からの苦情や介護自己も増える。
 ある施設の職員1人当たりの年収は現在、平均340万円。夜勤が多いなど労働の過酷さに比べて割に合わないため年に2割が辞めていく。慢性的な職員不足が続き、就職情報誌で募集をかけても、全く集まらない。

 厚労省が特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人に厳しい施策を打ち出す理由として、社福は特養を立てるときに建設費の4分の3が補助され、固定資産税や法人税などの税金もかからない。その上報酬まで高いと今後進める予定の在宅施策が広がらないためだ。
 厚労省は徐々に施設の利益を減らすよう仕掛け、平成15年に施設の報酬を4%下げた。それでも施設は在宅サービスに比べて潤っており、16年の介護事業経営概況調査でも、10.2%(補助金を含む)の黒字だった。

 そんななか、運営を効率化する施設も目立ってきた。一般の会社と同じように月次の財務諸表を作り、無駄な光熱水費などは削減し、職員の質を上げる研修など必要な部分に徹底してお金をかける。



 「ケアマネ介護報酬」案 《介護給付費分科会10月5日》

 厚労省は社会保障審議会介護給付費分科会で、06年度の介護報酬改定で、ケアマネジャーの介護報酬を要介護度別にすることや、サービス担当者会議を開催したり、医療機関と連携した場合などに、加算する考えを示した。



 「介護保険」1日から食住費自己負担 《産経新聞9月29日》

 改正介護保険法が10月1日に一部施行され、特別養護老人ホームなどの介護三施設の部屋代と食費が原則、自己負担になるのに伴い、施設が国から受け取る介護報酬について、居住環境とケアの室が最も良好とされるユニット型個室のほうが相部屋よりも低くなる「逆転現象」が起こることが判明し混乱が広がっている。
 手厚いケアのためユニット型個室を整備した施設で大幅減収となるなど皮肉な結果で、社会保障審議会で質の良いケアの報酬を高くする仕組みなど介護報酬見直しが検討される。

☆10月1日からの改正で部屋代と食費が自己負担の対象となるのは以下のとおり。
△「特別養護老人ホーム」「老人保健施設」「介護療養型医療施設」に入居するお年寄り。
△「ショートステイ」利用者も日割り分の滞在費と食費
△「デイサービス」「デイケア」など各サービスの利用者は食費のみ

 年金が266万を超える人が世帯に1人でもいる要介護5の人が、特別養護老人ホームの相部屋に入所した場合、利用者負担が約2万5千円増える。ユニット型個室の場合は、利用者負担が約2万〜3万円増える。
 一方で、部屋代などの自己負担化に伴い、施設が国から受け取る介護報酬は、ユニット型個室では部屋代と食費を合わせ利用者1人当たり平均8万5千円程度減額になり、減額幅が少ない相部屋よりも介護報酬が低くなるという逆転現象が起きた。

 単純な計算上の都合の結果であると説明する厚労省に対し、利用者の質向上のためにユニット型個室を整え、職員配置も国の基準以上で手厚いケアをしてきた施設の意見を踏まえ、厚労省は来月以降に開かれる社会保障審議会介護給付費分科会の中で、議論を重ねていく方針だ。



 「有料老人ホーム」悪徳ホームご用心 《産経新聞9月28日》

 「宣伝内容と実際が違った」「退去しようとしても入居一時金の大半が返ってこなかった」・・・。有料老人ホームの急増に伴い、こんな被害が相次いでいます。一部には、入居者を金儲けの手段としか考えないような悪徳ホームもあり、大金を失い入居を後悔するお年寄りも少なくありません。

【有料老人ホームを選ぶ場合のチェックポイント】
 ☆職員と資格についての確認
  @要介護者と常勤換算介護職員の比率がどうなっているか。
   国の基準の3:1をどの程度上回っているか。
  A常勤職員の比率が高く、その職員の経験年数が長いか
  B資格を持っている職員の比率が高いか。
 ☆介護料金が提供サービスに見合っていることの確認
  @どのような介護をしてくれるから介護料金を特別に取るのか
   よく聞く。そして特別養護老人ホームのサービスと比較する
  A公正取引委員会の表示規制で、上乗せ介護サービスで
   介護料金を特別に取る場合は合理的な算定根拠に基づいて
   いなければならなくなったが、ホームが決めた料金設定に
   きちんとした根拠があるか
 ☆介護居室への変更条件
  @本人・身元引受人の同意が必要となっているか
  A介護居室はホーム内にあって相部屋でないか
   (他の施設に移る場合要チェック…要介護状態になると
    系列の病院や老健施設に移されないか)
  B一般居室で介護可能な場合、その介護サービス料金を別途
   請求されないか
 ☆認知症になっても、契約解除される可能性がないか
 ☆土地や施設が自己所有か
 ☆返還金の銀行保証があるか
 ☆入居後短期間内の解約特例があるか



 事業者指定の取消し 《9月27日》

 介護保険サービス事業者のうち、2004年度に介護保険指定を取り消されたのは54事業者、81ヶ所であることが明らかになった。そのうち、訪問介護が31ヶ所、居宅介護支援が25ヶ所と多くなっている。2000年度からの累計は197事業者、313ヶ所に上る。



 「第2次介護認定モデル事業」 《厚労省9月27日》

 厚生労働省は、05年11〜12月にかけて実施する「第2次介護認定モデル事業」で、主治医意見書や介護認定審査会の手引きの変更点(案)を示した。病状が不安定でも心身の状態が安定している場合もあるため、病状だけで要介護認定しないよう求めた。



 「地域支援事業」 《厚労省9月27日》

 厚労省は、全国介護保険・老人保険事業担当課長会議で、06年4月から実施される「地域支援事業」の介護予防刺針案と実施要綱案を示した。
 第1号被保険者全員を対象とする「一般高齢者」と、要支援または要介護状態になる恐れがある虚弱高齢者などの「特定高齢者」に分けて、施策や事業が実施される予定。



 ボランティアすれば介護保険料安く 《産経新聞9月22日》

 介護の現場でボランティアをした高齢者の介護保険料を年間5千円程度安くする。
 そんなユニークな試みを東京都稲城市と千代田区が来年から進めようとしています。現行の介護保険法の仕組みではできないため、発案者の石田光広・福祉部介護保険担当課長は厚生労働省に制度改正を要望しています。



 「社会保障給付費総額」 《国立社会保障・人口問題研究所9月22日》

 03年度に年金・医療・福祉などに支払われた社会保障給付費総額84兆2668億円のうち、高齢者関係給付費は59兆3178億円(70.4%)で7割を超え、過去最高となったことが、国立社会保障・人口問題研究所のまとめで分かった。
 国民1人あたりの社会保障給付費は66万300円で0.7%の増加、国民所得に占める割合は22.76%で、前年度から0.22ポイント低下した。



 「有料老人ホーム」 低価格施設急増中 《産経新聞9月19日》

 有料老人ホームとは、民間企業が運営する老人ホームのこと。都道府県の届出が義務づけられている。厚労省によると、介護保険制度が始まった平成12年に全国に349あった施設が、同16年には980施設に増加した。要介護者が対象の介護付の他に健康な高齢者が入居する健康型があり、介護付きよりも居室面積が広く、入居一時金なども高い。

 かつては入居時に数千万というまとまった一時金が必要で、一部のお金持ちしか入れなかった有料老人ホームですが、介護保険制度導入をきっかけに価格破壊が進み、サラリーマンの年金でも入居可能なホームが増えてきました。

 低価格ホームの登場は、1990年代初頭にさかのぼる。バブル崩壊とともに不要になった社員寮など既存施設を改修した施設の建設がブームになり、平成12年の介護保険法施行で、国からの介護報酬が安定収入になることから全国に広がった。
 ここ数年は土地の有効活用を考える地主に建物を建ててもらい、運営会社が丸ごと賃貸するという方式が一般的になり、低価格でありながら新築のホームが急増中だ。

 入居一時金の平均は現在、約600万円とバブル崩壊直後の3分の1に下がり、入居一時金を取らなかったり100万円未満のホームは全体の3割を占めるという。一方で、入居一時金が1千万〜3千万の高額ホームは部屋が埋まらず苦戦を強いられているという。
 高額ホームは一等地にあったり、居室が少し広かったり、共有スペースが豪華なケースが多い。またクリニック併設などで医療的ケアを行えるような対応もしている。
 一方で、低価格ホームは、看護師などの医療職が夜間などに常駐しておらず、介護付きとはいっても常時、医療的ケアが必要な人は受け入れていないところが大半。入居後に病気になった場合も、退去せざるを得ない。建物も派手さはなく、インテリアなどで工夫を凝らし、アットホームな雰囲気を出している。

 注意点として、入居一時金の高低はケアの質を左右しないが、月々の費用は人件費と比例する。経験の少ない若い職員やパートを多く雇いコスト減をしていないか見極める必要がある。



 65歳以上 2割台 《産経新聞9月19日》

 10年後には「4人に1人」に増えるといわれている高齢者人口が、既に総人口の2割に到達した。
 19日の「敬老の日」に合わせて総務省が18日発表した統計調査結果によると、今月15日現在の65歳以上の高齢者人口(推計)は、昨年よりも71万人増の2556万人と過去最高となった。総人口に占める割合も昨年より0.5ポイント上昇し、初めて20.0%に達した。

 総務省の調査では、イタリアの19.2%、ドイツの18.0%よりも高く、日本は先進諸国でトップ。



 「介護老人保健施設」の入所者 《医療経済研究機構9月16日》

 介護老人保健施設の入所者のうち、「在宅で対応可能」な人が73.6%を占め、「在宅では対応困難な医療・看護が必要」な人は25.3%にすぎないことが、医療経済研究機構の調査で明らかになった。また、リハビリテーションのニーズについても、「入所によるリハビリが必要」は42.4%と半数にも満たないことが分かった。



 「グループホーム」の問題点 《産経新聞9月14日》

 認知症ケアの切り札として期待されるグループホームですが、「症状が落ち着いた」「その人らしく暮らせる」といった満足の声の一方で、施設の優劣の差が激しいとの指摘もあります。未熟な施設が増える背景には、設立が容易で“ビジネス”重視の参入が相次いでいることや激しい労働環境で離職率が高く、経験豊かな職員が育ちづらいことなどがあるようです。小規模で密室化しやすい施設だけに、見学を重ね、納得のゆくホーム選びが必要です。

グループホームの約半数は営利企業。施設の急増は、利用者の選択肢の拡大につながる一方で、各種の弊害も生んでいる。

 1ユニットの定員が5〜9名のグループホームにとって、空家は死活問題。何とか空家を埋めようと、管理者が現場の力量を省みずに重度化した人を入居させ混乱をきたすホームもある。
 グループホームの利用者には、平均で月額約21万円の介護保険給付がおりるが、入院すると翌日から施設への介護給付が打ち切られるため、入院と同時に退去を迫る施設もある。
 さらに、職員の離職率が高いため、熟練したスタッフが育ちづらいという問題もある。認知症のケアには専門性が要求されるが、現場は経験の浅い若いスタッフが多い。国民生活センターの調査ではグループホームの職員の平均給与は15万〜20万円が一般的で、15万円以下も25%で、離職に拍車をかけている。

 未熟なホームが増える一方、「終の棲家」を目指してターミナルケアに取り組む施設も出てきている。歴史が浅く小規模なだけに、運営者の姿勢が如実に現れているのがグループホームなのだ。



 100歳以上最多 2万5606人 《産経新聞9月14日》

 今月末に全国で100歳以上となるお年寄りは昨年から約2600人増の2万5606人で、過去最多を更新したことが3日、厚労省がまとめた「全国高齢者名簿(長寿番付)」でわかった。
 このうち、女性が2万1820人、男性は3786人。長寿日本一は女性が福岡県の皆川ヨ子さんで112歳、男性は鹿児島県の徳田二次郎さんで110歳。
 100歳以上の高齢者が人口10万人当たりに占める都道府県別の比率での上位は、1位:沖縄県、2位:高知県、3位:島根県で、下位は45位:愛知県、46位:千葉県、47位:埼玉県であった。



 「地域包括支援センター」の設置 《厚労省9月14日》

 厚労省の調べによると、06年度中に「地域包括支援センター」を設置する保険者(市町村)は、約3分の2になることが分かった。6月に全保険者に調査したところ、1738中1133保険者が「06年度に設置予定」と答えた。



 「小規模多機能型・夜間対応型」 《介護給付分科会9月13日》

 厚労省は、社会保障審議会介護給付費分科会に、2006年4月から実子する地域密着型サービスの介護報酬と指定基準の考え方を示した。
 「小規模多機能型居宅介護」については、介護報酬を1ヶ月単位の定額払いにし、介護支援専門員を常勤配置することを提案。
 「夜間対応型訪問介護」は@定期巡回サービス、Aオぺレーションセンターサービス、B随時訪問サービスの3つを提案し、介護報酬について、Aを定額払い、@Bを出来高払いにする方法と、3つのサービスを包括して1ヶ月単位の定額報酬にする方法の2通りを提案した。
 「認知症対応型共同生活介護」は、看護職員を配置したり、訪問看護ステーションと契約したりして健康管理を行う施設を評価する考えを示した。

 厚労省がまとめた「2004年介護事業経営概況調査の概要」によると、介護保険3施設と居宅サービス事業所の利益率は、以下のとおり。
 介護老人福祉施設   8.4%
 介護老人保健施設  10.6%
 介護療養型医療施設  8.1%
 通所リハビリテーション 16.5%
 認知症対応共同生活介護  8.7%
 居宅介護支援  マイナス15.9%
 訪問介護     マイナス1.3%



 高齢者向け融資 「リバースモーゲージ」 《産経新聞9月10日》

 持ち家を担保に老後の生活に必要な資金を融資する米国生まれの「リバース(逆)モーゲージ(住宅抵当貸付)」に、高齢化や年金不安が広がる日本で関心がじわじわと広がっている。全国の自治体や一部の金融機関が導入し、住宅のリフォーム費用や老人ホームの入居費などの調達手段として活用できる。但し、普及のペースは欧米と比較にならないほど遅い。未整備な中古住宅市場など日本特有の障壁があり、政府の政策的な後押しが不可欠といえる。
 契約者にとっては持ち家を売却せずに現金化して、老後生活を豊かに送るための必要資金を確保できる。

 厚生労働省は平成15年度からリバースモーゲージの仕組みを使った「長期生活支援資金貸付制度」を導入。65歳以上で市区町村税非課税の低所得層を対象に評価額の7割を限度に融資する制度で、今年6月末までの契約は308件。
 金融機関では、中央三井信託銀行が今年3月から首都圏、名古屋、近畿圏の65歳以下の高齢者を対象に取扱いを再開。今月15日から取扱いを開始する東京スター銀行は、平成19年から大量退職期を迎える「団塊世代」を主なターゲットに、60歳以上と対象年齢を引き下げた。
 しかし、日本では住宅の評価基準がなきに等しく、建築後15年から20年たてば家屋の評価額は事実上ゼロ。国の住宅政策が抜本的に変わらないと普及は難しい。

 国土交通省は高齢者が保有する住宅を、狭い住居しか住めない子育て世代に貸し出し、老後資金を確保する新制度の導入を決め、来年度の概算要求に盛り込んだ。

【リバースモーゲージの仕組み】
 @高齢者が金融機関・自治体に対して住居不動産を担保としてだす。
 A金融機関・自治体が高齢者に老後資金を融資する。
 B高齢者の死亡時に居住不動産を売却する。
 C金融機関・自治体が融資を精算する。 



 高齢者の施設 「グループホーム」 《産経新聞9月7日》

 要介護1以上の認知症の人が入居対象で、ケアを受けながら共同生活を送る施設。正式には「認知症対応型共同生活介護」という。介護保険が適用される施設以外に、知的障害者、精神障害者のためのグループホームもある。今年8月末現在で約7千百施設と、介護保険導入前に比べ30倍近くに急増。

 一般に、認知症の人は環境変化への適応や、周囲と適切な人間関係を結ぶことが困難とされる。物忘れが激しくなり、以前は出来たことが出来なくなる為、不安や戸惑いから本人や家族が混乱するケースも見られる。
 しかし、適切なケアで不安や恐怖心が和らげられれば、穏やかでその人らしい生活を続けられる人が多いのも事実。

 グループホームは他の介護施設と比べ、利用者ができる限り自宅に近い生活が送れるよう体制を整えることが求められているのが大きな特徴。費用は1ヶ月で13万〜14万円前後が一般的。歴史も浅く、運営も株式会社、社会福祉法人、NPO法人など多岐にわたるため、施設間の違いが大きいのもグループホームの特徴。



 介護者に感謝の言葉を 《産経新聞9月1日》

 NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジンでは毎週木曜10:30〜15:00に介護者の為の電話相談(03−5775−0151)を行っている。

 介護者の大半は孤独で、介護保険が出来て介護の社会化が進んできたとはいっても、まだまだ嫁や娘、妻など女性が介護をするのが当然という重圧が日本の社会に存在する。
 心優しくて、真面目な人ほど「私がやらなきゃ」と感じてしまう。しかし、1人の介護者が介護に専念すればするほど、介護を受ける側も「あなたじゃないとだめ」と感じるようになり、双方の密着度が高まる。そうすると、介護者は、リフレッシュする暇がなくなり、どんどん追い詰められてしまう。

 諸外国の施策として、スウェーデンでは、身体的なケアはプロに任せ、家族はお年寄りの精神的なサポートだけに徹している。イギリスには、介護者にケアマネジメントをする仕組みがある。ドイツでは、介護者の負担を少なくなるように、お年寄りが施設に短期入所をするのが義務になっている。



 高齢者の施設 「介護療養病床」 《産経新聞8月31日》

 平成16年10月現在、全国に3721ヶ所ある。一般の病院と比べると、医師や看護師が少ないが、介護職員が配置されている。一般病床に入院していたが、病状が安定し、担当医が適当と判断した場合に移る場合が多い。入院にかかる費用は、年金が266万円を超える人が世帯に1人でもいる要介護5の人の場合、4人部屋で月額6万3千円程度。今年10月から2〜3万円程度自己負担が増える可能性がある。

 リハビリで在宅復帰を目指す人がいる一方で、治る見込みが無い病気で寝たきりのお年寄りが多いのが特徴。
 厚労省の平成15年の調査では、入所者の平均要介護度は「4.16」と、特養や老健と比べて高い。その分病院で最後を迎える人も目立っており、患者本人が納得がいくような終末を迎えられるような医療に力を入れる病院が増えつつある。

 延命治療の中止については、どのような身体状況であれば中止するかなどを示す国の指針はない。本人や家族の意思を考慮せず医療側の判断だけで中止してしまうと、“殺人”になりかねない。



 高齢者の施設 「老健」 《産経新聞8月24日》

 平成16年10月1日現在、全国に3131ヶ所ある。医療ニーズが高いお年寄りが対象で、リハビリのほか、診療や投薬、注射などの医療行為も受けられる。特養よりも医療職が多く勤務。医師常駐のほか、看護師も入居者100人に対して10人と多く配置されている。
 最近は、入所者全体を対象に行われてきた流れ作業的なケアから、十人程度の少人数に分けて行うユニットケアに変わりつつあり、厚労省の平成15年の調査では、全国143施設で実施している。職員が少ないと実質ユニットケアは難しい。実施には最低でも、お年寄り2人に対して職員が1人必要となる。



 特養「ユニット型と従来型の違い」 《産経新聞8月3日》

 ユニット型個室の施設とは、1つのユニットが @入居者10人程度 A個室は全室8畳以上 Bリビングなど共有スペースがあるーなどの条件で満たされた空間のことで、この条件を満たさなければ「従来型」とされる。
 ユニット型では、入居者の日常はそれぞれのユニット単位で行われ、プライバシーが確保され快適な暮らしができる分、部屋代は従来型の施設よりも高く設定されている。標準モデル(年金266万超)では、従来型相部屋で8万1千円、従来型個室で7万9千円、ユニット型個室で12万8千円(いずれも1割負担+部屋代+食費の合計)となる。
 しかし、従来型の部屋の方が利用者の負担が軽いという経済的な観点や、一人当たりの職員の目配りの手薄から、ユニット型個室ではなく、あえて従来型の部屋を整備する施設もある。



 食費負担引き下げ 《産経新聞8月》

 厚生労働省は3日、10月から原則自己負担となる特別養護老人ホームなどの介護施設の食費の標準額について、これまで提示してきた「月額4万8千円」を撤回し、月額4万2千円程度に引き下げる方針を固めた。
 特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設の介護三施設の食費は、現在は食材費を除き介護保険の給付対象となっているが、10月から栄養管理にかかる費用を除く食材費と調理費の合計額が原則、利用者の全額負担に改められる。
 実際の利用額はそれぞれの施設と利用者の契約によって決められる。



 寿命20年連続世界一 《産経新聞7月》

 昨年の日本人の平均寿命は、女性85.59歳、男性78.64歳で、いづれも5年連続で過去最高を更新したことが22日、厚生労働省が発表した平成16年の「簡易生命表」で分かった。
 女性は20年連続で世界一を維持、男性はアイスランドに次いで2番目となり、「世界トップクラスの長寿国」を保った。



 長期滞在できない病院・施設A 《産経新聞7月27日》

 病院を出た後にリハビリをしながら自宅に戻る準備をする「老人保健施設」。こちらも病院と同じで、基本的には長く滞在できません。家庭の事情から老健を転々としながら生活するお年寄りも多い。果たして老健に入所後、どのくらいしたら退所を勧告されるのか。
 全国老人保健施設協会などによると、施設に入所後、何ヶ月で退所してもらうというルールはないが、3ヶ月に一度ケアプランを見直す関係上、二度目の見直し時期である「6ヶ月」をめどに退所を勧告する施設が多いという。
 厚生労働省の平成15年の調査では、全国の老健の平均滞在日数は「230.1日」(約7.4ヶ月)で、年々長期化する傾向にある。高齢者人口に対して施設が少ない都市部では、多くの人に入所の機会が平等に行き渡るよう3ヶ月〜半年の短期で退所させる傾向にあるが、地方では3〜4年、入所しているお年寄りもおり、“第2の特養”となっているのが現状。青森など降雪でヘルパーが自宅に行けない事情などによりお年寄りに施設に入ってもらいたいという要望から、都市部のように事務的に短期で退所させることができない事情などがある。
 老健を転々とせざるを得ない一番の理由は、特養の不足で、昨年2月時点での特養の待機者は全国で約34万人。現行の介護度4,5の重度の人から順に入る仕組みでは、認知症で歩行もできる元気な(介護度2〜3の)人は容易に入ることができない。
 老健には長期に入所できず、特養にはいつ入れるか分からず、グループホームは高額なため入れず、家族は高齢で見られず・・・となると、現実策として老健を渡り歩くしかないのが実状である。



 病院・介護「食の革命」 《産経新聞7月21日》

 「栄養」の二文字を重視してきた病院食や介護食に、「食べることを楽しむ」という考えを取り入れる動きが広がっている。

 今年5月、医療法人社団あんしん会が東京都千代田区に開業した総合クリニック「四谷メディカルキューブ」。ここでは、全19床の個室の入院患者一人ひとりの病状に合わせ、毎日3食、目にも楽しい個別の料理が配膳させる。同クリニックから病院食の調理業務を委託されているセコム医療システムが、フランス料理店「オテル・ドゥ・ミクニ」にメニュー開発・調理を依頼している。
 オーガニックフランス料理店「ユリス麻布十番」のオーナーシェフは、アンチエイジングに関する東京都老人総合研究所のプロジェクトに協力をしている。
 高知県土佐町の医療法人十全会が運営する「早明浦病院」と併設する老人保健施設「レイクビューさめうら」では、昨年夏から、地元の農協に依頼し、旬の野菜や米などを毎日、仕入れている。



 長期滞在できない病院・施設@ 《産経新聞7月20日》

 医療費高騰の大きな原因になっていた「社会的入院」を減らす為、厚労省は近年、あの手この手で患者の入院日数を減らし、患者を社会に復帰させる施策をとっている。
 @一般病床の病院に2週間以上、患者が入院した場合は診療報酬の加算が減るようになっている。
 A更に平成12年には原則75歳以上の高齢者が一般病棟に3ヶ月以上入院すれば病院への報酬が減る「90日超ルール」をつくり、
 B14年には半年以上の入院で患者から医療費の15%分を徴収できる「180日超ルール」(特定療養費制度)を創設した。
 これらのルールには、癌の治療をしているなど医療の必要性が高い人には除外規定があり、厚労省は表向きには「困る患者はいないはず」としている。
 しかし、病院を出されたお年寄りに特別養護老人ホームなどの施設は満杯で空きがなく、例えば90歳以上の男性が病院を出されても、同じ90代の妻が「自宅」で介護するしかない場合もある。
 さらに、要介護5で痰の吸引が必要な場合でも医療的ニーズが高い高齢者の受け皿もない。医療行為である痰の吸引は、以前は医師か看護師、家族でしかできなかったが、厚労省は家族の負担を軽減しようと、今年3月から、在宅生活を送るお年寄りを介護するヘルパーが、一定の条件の下で吸引できるような仕組みを整えた。しかし、方法を間違えれば死亡する可能性もある危険な行為のため、実施するヘルパーも少ない。



 団塊の世代が65歳以上になる10年後 《産経新聞7月》

 今後10年間で高齢化の最後の急な上り坂がきます。65歳以上の高齢者数は平成27年には約3277万人となり、平成14年に比べて約4割も増えます。
 特に著しいのが都心のベッドタウンとして発展してきた地域で、埼玉だと約8割増、千葉は7割増、神奈川は6割増と、それぞれ全国の倍近いスピードで高齢者が増えていきます。
 これまでの明治から昭和初期生まれの高齢者は子供の迷惑にならないように施設や病院に入るというケースが一般的だったが、団塊の世代は子供の世話になることを期待していませんし、年金も充実し、蓄えもあります。
 今後は住み慣れた自宅の畳の上で死ぬことを実現させる地域ケアの仕組みが重要となります。しかし、重症化したお年寄りが医療的ケアを受けながら自宅で暮らせる仕組みが貧弱で、病院などの施設での死が8割を占めているのが現状です。そこで例えば、重度のお年寄りに医療的ケアが出来る通所サービス等を創設し、夜は自宅に帰ってこられるような仕組みを整えるようなことも良い。
 平成27年には今より100万人増えて約250万人になると見込まれている認知症の高齢者も可能な限り自宅でケアを受けながら暮らせるようにするべき。
 きほんてきに、高齢者は静かな所で静かに過ごすよりも、都心の利便性の高いところに住むのが良い。社会的な関係を保つことで認知症の予防になるし、いざという時には病院の搬送も楽である。



 在宅終末医療を支援 《産経新聞7月17日》

 「人生の終わりは自宅で過ごしたい」。そんな終末を迎えた患者の要望に応えるため、厚生労働省は新たな在宅医療支援を行う仕組みを整備する方向で検討に入った。
 病院の担当者と地域の医療関係者が連携して、それぞれの患者にふさわしい、きめ細かなケアを行う内容。退院後も切れ目のない医療サービスを提供することで、患者の不安を取り除き、在宅医療の流れを加速させる平成18年の医療制度改革に盛り込む考えだ。
 死亡前1ヶ月間の入院医療費は、平成10年度で約8千億円にのぼっている。
 終末期在宅医療には、地域での患者の受け入れ態勢の充実が不可欠。このため、病院の担当医に加え、訪問診療を行う医師や看護師、薬局、薬剤師、介護保険のケアマネジャーなど地域の医療介護スタッフなどの協力体制を整備する。



 介護予防の先進自治体・高知県 《産経新聞7月》

 全国より10年早く2025年に高齢化のピークを迎える高知県では、平成15年から介護予防を実施している。
 身体機能や血液の状態だけでなく、以下のような高齢者健診を行ない、要介護状態になる恐れがある人を早期に発見する仕組みを整えた。
 @過去1年間の入院
 A移動能力
 B前屈動作
 C知的能動性(例:本や雑誌を読んでいるか)
 D外出頻度
 E過去の転倒経験
 Fトイレの失敗
 G無力と感じる
 H家の中が好き
 I手段的自立(例:自分で食事の用意が出来るか)
 J社会的役割(例:家族や友人の相談に乗ることがあるか)

 また、出来ないことを見つけてサービスで補うより「したいことを見つけて、できるように支援していこうという『犯人探しでなく恋人探し』の考え方を取り入れている。



 有料老人ホーム、入居一時金を透明化 《産経新聞7月15日》

 有料老人ホームに入居する場合、数百万〜数千万(平均1100万〜1200万円程度)単位の高額な「入居一時金」を徴収されるが、現状では、これらの返還ルールなどが入居者に十分、伝わっていない。
 退去の際などに施設とトラブルになるケースが目立つことから、厚生労働省は来年4月から、入居一時金に関する情報を開示するなどで、入居者保護の充実をはかる。
【全国の有料老人ホーム数】
 平成元年  155
 平成5年  246
 平成10年 288
 平成15年 662
 平成一六年 980



 「要介護5」相部屋、月2万5千円負担増 《産経新聞7月15日》

 介護保険法改正で10月から特別養護老人ホームなど介護三施設の部屋代と食費が原則自己負担となることを受け、社会保障審議会(厚生労働省の諮問機関)の分科会は14日、厚生労働省がまとめた介護報酬の改定案を了承した。
 「要介護5」で特別養護老人ホームの相部屋に入所する場合、標準的な利用者負担は現行の月額5万6千円から8万1千円に2万5千円増える。厚生労働省は、改定で介護保険給付費が年簡約3千億円縮減され、65歳以上の平均保険料が月額200円引き下げられると試算している。
 厚生労働省は介護サービス費と部屋代について、介護施設の部屋の居住環境に応じ、
 @共同リビングルームを併設したユニット型個室(6万円/月額)
 A@に準じたユニット型準個室(5万円/月額)
 Bリビングルームのない従来型個室(5万円/月額)
 C相部屋(光熱水費のみで1万円/月額)
 ※食費はいずれも4万2千円
 との標準額を示した。
 急激な負担増を避けるため、既に従来型個室を利用している場合、平成20年度までは相部屋と同じ扱いとする。
 部屋代と食費についても、住民税非課税の低所得者(現在、年間年金収入が266万円以下)は、所得に応じて三段階の負担限度額を設けた。

 一方、食事の栄養管理を充実させるため
 @常勤の管理栄養士か栄養士を置いている
 A栄養ケア計画を作成して入所者の状態を定期的に評価
 B口から食べる「経口摂取」に移行するため、医師の指示に基づく栄養管理(180日を限度)
 C医師の指示に基づく療養食を提供
 の四サービスを新たに報酬加算することにした。



 高齢者の虐待の対策強化 《産経新聞7月14日》

 悪徳商法や家庭内で虐待の被害にあっている高齢者は年々増加している。厚労省は来春から設ける「地域包括支援センター」に、権利擁護を担当する社会福祉士を配置、情報提供や相談業務に応じることにした。
 社会福祉士は成年後見人制度の普及や、弁護士会や司法書士会などとの連絡調整を行う。
 後見人への報酬は各市町村が任意で助成事業を実施する。



 特別徴収の対象拡大 《産経新聞7月13日》

 65歳以上の高齢者が支払う介護保険料は、約85%の人が年金から天引きされている。この方法を特別徴収といい、年額18万円以上の年金を受給している人が対象だが、今回の改正で対象が「遺族年金」「障害年金」にまで拡大された。  18万未満は銀行や郵便局で支払っていたが、来年からは市町村から委託を受けたコンビニエンスストアでも支払いが可能になる。  生活保護受給者は生活保護費を支給する際、福祉事務所などがあらかじめ生活保護受給者に代わって保険料を各市町村に納められるようになった。


 同じベッド…異なる金額 《産経新聞7月13日》

 病院内では介護のベッド(介護療養型医療施設)と医療のベッドを併せ持つ所も多く(全国の療養病床を持つ病院の約6割が介護保険と医療保険の併設型)あり、「同じ所に入院するのに、介護保険対象者だけが食住費を負担するのは不公平」という声が上がっている。

 厚労省が10月から介護保険適用の入居者から食住費を全額徴収することにしたのは、在宅介護の人は家賃や食費が自己負担なのに、施設入所の人は介護保険から補助があるのは不公平だからだ。
 医療ベッドか介護ベッドかの判断は、どちらのサービスが中心になるかによるが、介護保険対象者には要介護認定が必要という以外、明確な差が無いのが実情。
 医療保険の対象者はおむつ代が自己負担である事に加えて、入居条件は利用者と施設との契約で決まるので、一概にどちらの負担が大きくなるかはいえない。

 食住費の自己負担に差が出ることについては、国会でも検討課題と指摘され、厚労省も調整に入ったところだ。
 「終の棲家的な側面の強い介護施設と異なり、医療病床の患者はあくまでも病気治療のために入院している。自宅があるのに部屋代を取るのは二重の負担となるし、食事も治療の一環なので、全額自己負担にはそぐわない」との意見もある。



 悪質事業者の取り締まり強化 《産経新聞7月7日》

 介護保険制度が始まり5年、平成17年3月現在、全国で約10万6000事業所がサービスを提供している。一方で架空や水増しを行う悪質事業者が急増し、制度開始から4年9ヶ月で計287事業所が指定を取り消されていることから厚労省は以下のように取締りを強化する。

 @都道府県が行う事業者指定を6年毎の更新制にする
 A指定を取り消された事業者は5年間、全てのサービスの指定が受けられない
 B過去に取り消しを受けた事業者の役員も5年間、事業者の役員になれない
 C全ての事業者は介護サービスの内容や運営状況に関する情報の公開を義務付ける

【指定取り消し事業者数】計287
 平成12年:7
 平成13年:30
 平成14年:90
 平成15年:105
 平成16年:55(4〜12月)



 高齢者世帯 最高787万世帯 《産経新聞7月7日》

 厚労省は平成16年度の国民生活基礎調査を発表した。高齢者世帯が787万4千世帯と総世帯の17%を占め、世帯数、割合ともに過去最高を更新。
 15年の1世帯当たりの平均所得は579万7千円と7年連続で減少。高齢者世帯の平均所得も290万9千円と前年より減少。生活が苦しいという回答も55.9%で過去最高になった。



 特別徴収の対象拡大 《産経新聞7月》

 65歳以上の高齢者が支払う介護保険料は、約85%の人が年金から天引きされている。この方法を特別徴収といい、年額18万以上の年金を受給している人が対象となっている。
 今回の介護保険法の改正で、この特別徴収の対象が遺族年金、障害者年金にまで拡大された。両者については、これまで対象外となっていたことが疑問視されていたためだ。
 一方、年金額が年額18万円に満たない人は、これまで通り、銀行や郵便局で支払う。来年からは市町村から委託を受けたコンビニエンスストアでも支払うことが出来るようになる。
 また、生活保護受給者はこれまで、介護保険料の負担分を、いったん受け取り、再度納める形を取ってきたが、これでは二度手間になる上、介護保険料を支払わない受給者も出た。そこで生活保護費を支給する際、福祉事務所などがあらかじめ生活保護受給者に代わって保険料を各市町村に納められるようになった。



 ケアマネ資格5年ごと更新 《産経新聞7月6日》

 ケアマネの資格が18年4月から5年ごとの更新制となる。更新時には研修も義務付けられる。

 ケアマネは中立公正にケアプランを作成するのが本来の職務だが、併設事業所での勤務が多く中立性への疑問が指摘されてきた。また、収入確保のため1人でも多くの高齢者を抱える傾向も強く、利用者との十分な話し合いが無いままにケアプランを作成する例も少なくない。これらの課題に対応する為に1人当たりの標準担当件数を50件から30件程度に削減するために介護報酬を見直す。
 ケアマネごとに、ケアプランの作成や、利用者の要介護度の改善具合などを市町村が評価する仕組みも作り、架空プランや名義貸しの有無もチェックする。

【ケアマネと介護サービスの併設事業所】
 平成13年:95.7%
 平成15年:93.1%



 「特養」10月から自己負担 《産経新聞7月6日》

 17年10月からの介護3施設の部屋代と食費が全額自己負担となる。厚労省は一定の年金収入がある高齢者で、月額3万円ほど出費が増えると見込んでいる。6月中旬、厚労省は次のような部屋代の月額基準額を、社会保障審議会介護給付費分科会に提示した。

@相部屋は1万円
A従来型の個室は5万円
B入居者が共同で使う部屋を併設したユニット型個室は6万円
C隣室と完全に分離されていないユニット型準個室は5万円
D食費は一律4万8千円

 相部屋での生活が困難の人が多い現状から6月30日にAの従来型個室については相部屋と同等の扱いとして当分の間、部屋代は無料にし、光熱水費の1万円のみ徴収する方針に変えたが、反対意見も出ており結果は流動的。7月中旬までに結論を出す意向。

 厚労省は、年金が266万以下の低所得者について、負担軽減を設けて配慮する方針で、その額は「現在の負担と変わらない程度に抑える」としている。



 部屋代当面は無料 《産経新聞7月1日》

 厚生労働省は30日、社会保障審議会の介護給付費分科会を開き、10月から原則自己負担となる特別養護老人ホームなどの介護施設の部屋代に関して、従来型の個室を利用している人のうち、現在部屋代が無料の人については、激変緩和の為の特例措置として一定期間は部屋代(5万円)を徴収せず、光熱水費1万円のみ自己負担とする方針を示した。
 特例措置をとるのは@特養の個室利用は認知症など24時間介護が必要な場合が大半で、お年寄りが自ら個室を選ぶケースは少ないA部屋代負担をしてこなかったお年寄りに、いきなり高額な請求をすれば、混乱が生じかねないーと判断したため。



 デイサービス「娯楽偏重に歯止めを」 《産経新聞6月29日》

 介護予防などを目的に、温泉やカラオケ、ゲームといった娯楽性の高いプログラムを提供するデイサービスが最近、増えています。お年寄りが楽しめ、健康増進にも一役買っているようですが、こうしたサービスには、40歳以上の国民から集めた介護保険料などの公費が使われています。
 例えばお年寄りに映画を見せて元気になってもらいたいと言う希望から映画館をデイサービス施設に改装しようと計画した福岡県北九州市の事業者の指定を巡り、その是非が厚生労働省関係者の間で話題になったことがあった。
 福岡県は、「事業者の希望は当初、映画上映がメーンでと言うことでしたが、映画を見ているだけでは機能回復につながらず、介護保険料など公費が拠出されるデイサービスになじまないことから、昼休みに上映し、その他はきちんとした機能訓練を行なってもらうようにして指定認可を出した」(介護保険課)という。
 平成12年度に介護保険制度が始まり5年がたつと、他と差別化をはかろうと、こうした娯楽性を“売り”にする事業者が目立つようになり、その結果、効果があいまいだったり楽しませることに過度に偏ったサービスが横行するようになってきたという。
 画一的なプログラムではなくて良いことと評価の声がある一方で、これらは介護保険料や、住民の税金と言う公費で賄われており、「お年寄りが楽しめればよいというものではない」という声は高まっている。



 訪問介護「家事代行は原則禁止」 《産経新聞6月29日》

 介護予防サービスの導入に伴い、在宅高齢者が多く利用する訪問介護の内容も予防型に変更される。
 これまでのようなホームヘルパー任せの「家事代行型サービス」は原則的に廃止され、お年寄りが自分では出来ないことをホームヘルパーが手助けする形に変わる。
 例えば、調理作業でお年寄りが食材を刻むことができないとすれば、ホームヘルパーは刻む作業のみを手伝うーといった利用方法が想定される。お年寄りにできるだけ体を動かしてもらうことで、生活能力の低下を防ぐと共に、心身機能の回復につなげる狙いがある。ただ、一人暮らしや要介護者同士の夫婦世帯など、これまで通りの使い方ができなくなると生活に支障をきたすケースもあることから、一律的な見直しとはせず、個別の事情を勘案して必要性が認められた場合には、従来どおりの「家事代行型サービス」が利用できるようにもする。



 予防教室を実施 《産経新聞6月28日》

 厚労省は27日、全国介護保険担当課長会議を開き、介護予防サービスの一環として市町村がグループ向けに実施する「地域支援事業」の詳細を明らかにした。

@市町村が65歳以上を対象に介護予防健診を実施
A新設される介護予防拠点「地域包括支援センター」で簡易なケアプランを作成
B必要性に応じて筋力トレーニングなどの予防教室を実施
C3ヶ月もしくは6ヶ月後に改善度合いを評価、必要に応じケアプランを見直す

『教室の内容』
【運動機能向上】ストレッチ、筋力トレーニング、有酸素運動、バランストレーニング
【栄養改善】栄養相談、実習を含めた集団栄養教育(意義、食べ方、作り方など)
【口腔機能向上】口腔機能向上教育、口腔清掃の指導、摂食や嚥下機能の訓練指導
【閉じこもり、うつ、認知症の予防支援】判定や受診奨励、上記教室への参加呼びかけ

 事業費は国と地方の税財源および介護保険料で賄われ、65歳以上の5%程度が対象となる見込み。公民館や保健センターなどを利用。教室は20〜30人単位を想定。原則的には高齢者に通ってもらう。介護予防健診での判定項目としては生活機能に着目した26項目を予定。利用料の自己負担分については市町村ごとに設定



 予防サービス新設 《産経新聞6月23日》

改正介護保険法が22日の参院本会議で可決、成立した。介護予防サービス(新介護予防給付)が新設され、これなで保険でまかなわれてきた介護施設の居住費と食費なども原則自己負担化する。
 ポイント
・筋力トレーニングや栄養改善指導などの「介護予防サービス」の新設
・介護施設の居住費と食費の原則自己負担化
・ケアマネジャーの資格を5年毎の更新制に
・総合的な介護相談を行う「地域包括支援センター」の創設
・介護サービス事業者にサービス内容や施設情報の開示の義務付け
・市町村長の介護事業所への調査権限の強化

 自己負担化は10月から、その他は18年4月から施行される。介護予防サービスについては、施行3年後をめどに効果を検証し再検討する。保険料徴収と受給者の対象年齢拡大については、政府内に検討機関を新設し、18年度末までの結論を目指す。
 今後は介護報酬改定作業に入る。社会保障審議会介護給付費分科会の答申を経て、18年2月には正式決定する運び。


 高齢者における膝関節伸展筋力と生活体力の起居能力および歩行能力との関係 《体力研究Mar.2004》

1)男女ともに年齢は体重当たりの脚筋力、起居時間、歩行時間の各項目との間にいづれも有意な単相関係数が認められた。
2)男女ともに体重当たりの脚筋力と起居時間、および歩行時間との間にそれぞれ有意な単相関係数が認められた。
3)重回帰分析により男女ともに体重当たりの脚筋力と歩行時間との間にも男女とも有意な関係が認められた。
 以上の結果から、脚筋力が強いことは、年齢や下肢の痛みの有無にかかわらず起居能力および歩行能力が高いことが明らかとなった。 下肢機能である起居能力および歩行能力の低下予防の対策として下肢筋力の維持が有効である可能性が示唆された。
(北畠義典ら「高齢者における膝関節伸展筋力と生活体力の起居能力および歩行能力との関係」より総括を転載)


 高齢者 増える家庭内事故 《産経新聞5月12日》

 平成15年の厚生労働省の人口動態調査によると、家庭内事故(転倒45%、転落、窒息など)による死者数が交通事故死者数を 上回って、1万1000人を初めて超えた。65歳以上の高齢者は八千六百五十四人にも達する。